君は太陽




 彼との出会いは偶然だったのか必然だったのか、そんな答えのない問いを悶々と考えていたりする。


 勝手に執着して勝手に捻くれて、自分でもよく分からなくなっていた。境界線を引くのが下手すぎて、どこまでが自分なのか分からなくなっていた。もうどうにでもなれって思ったりもした。

 大きな分岐点の1つにいた。あの時、もしあのまま突き進んでいたらどうなっていたのかな。今みたいに笑っていられたかな。やりたい事のはずなのに、どうしても明るい未来が想像できなかった。どこかで、自分とあの人は違うんだって、ちゃんと思えていたのかもしれないね。でも、変える勇気がなかったの。変えることで、全てを否定してしまうんじゃないかって思ってたから。そっくりそのまま同じ道を辿らないと気がすまなかった。本当に執着しすぎていたし、義務感が強くなりすぎてた。


 濁った心に彩りを与えてくれたのが、彼だった。暖かくて柔らかい言葉で、色を付けてくれた。陽を照らしてくれた。純粋無垢で真っ直ぐな想いを、不器用ながら一言一言、丁寧に届けてくれた。彼独特の暖かさで包み込んでくれた。錆びてグチャグチャに絡まった冷たい鉄の鎖を、その暖かさで溶かしてくれたね。それは間違いだって否定するわけでもなく、かと言って野放しにするわけでもなく。本当に、欲しい時に欲しい言葉を掛けてくれたの。おかげで、納得のいく道を選択することができた。何故か、当初望んでいた道と同類の道筋を辿っている気がするけど。

 でもね、今、心の底から楽しいと思えているよ。もちろん不安になる時もあるけれど、彼と横並びで手を繋いで一歩一歩 歩んでいるんだって思うと、不思議とすっと身体が軽くなる。


““夢はスーパーアイドルになること““

 ずっと言い続けているね。わたしの中ではもうずっとスーパーアイドルだしスーパーヒーローなんだけどなぁ。現状に満足せずに、ずっとずっと高みを目指す彼が好き。

 時には立ち止まって、一緒にピクニックでもしてくれたら尚嬉しいよ。


 いつも幸せのために戦ってくれてありがとう。そんな貴方の幸せな日々を、わたしは心からお祈りしております。

 世界一、幸せになってね。 



出会ってしまった 君は太陽